地域会定期総会協会会長挨拶

協会会長 手塚 正彦

  日本公認会計士協会会長の手塚です。

  地域会の定期総会開催にあたり、一言ご挨拶申し上げます。

  本来であれば、直接地域会にお伺いして、ご挨拶と会務報告をさせていただき、協会や業界の動きを皆さまと共有するとともに、皆さまからご意見やご要望を伺い、議論することが会務の一層の充実につながると考えています。

  しかしながら、本年は、新型コロナウイルス感染拡大防止のために、残念ながらこのような形とすることをご了解いただけますと幸いです。

  地域会の役員、事務局の方々には、大変な時期に定期総会開催の準備を進めてくださり、また、このようにメッセージをお届けする機会を作ってくださったことに感謝申し上げます。

  さて、昨年7月に会長に就任してから間もなく1年が経過します。この間、公認会計士協会が将来にわたって、会員の皆さまからも社会からも信頼され、経済の健全な発展と幸福な社会の実現に最も貢献するプロフェッショナル団体となっていくために、5つの戦略目標を設定し、それらに基づく具体的なアクションプランを立て、実行してきました。

  今後も、施策の実行に注力するとともに、協会として中長期的な観点から取り組むべき重要な課題については、必ずしも任期に捉われずに必要なアクションプランの立案・実行を進めて、次の執行部に確実に引き継いでいきたいと考えています

  次に、この1年間で取り組んできたことについてご紹介します。

  最近では、この3月から5月の間は、新型コロナウイルス感染拡大下における決算と監査への対応に力を注ぎました。2,400社を超える3月決算上場会社の監査をはじめとして、非上場の会社法監査、非営利部門の法人の監査まで含めると相当数の監査が6月までに行われ、例年どおりのスケジュールでは決算・監査のための十分な時間が確保できず、企業等の情報開示の適正性や信頼性に重大な影響を及ぼす懸念がありました。そのため、金融庁が事務局となって設置された連絡協議会で協会としての意見を示したほか、経済産業省・法務省や経済団体、国会議員などに積極的に、決算と監査の期間の確保について要望してまいりました。その結果、様々な制度的な手当てがなされ、また、会員の皆さまのご尽力もあり、市場に大きな混乱を与えるような事態は回避することができたと考えています。

  また、今回のコロナ禍における監査の経験を踏まえて、金融商品取引法と会社法の二元的な開示や株主総会の日程の問題などについて改めて問題意識を強く持ったところです。四半期報告制度なども含めた企業情報開示制度の在り方を全般的に見直す必要がないかを今後検討していきます。

  そのほか、公認会計士である社外役員への倫理規則の周知徹底、「チームメンバー・ローテーション」を中心とする監査人の独立性強化、IPO監査に関する公認会計士業界と市場関係者との間の認識共有の醸成、社会福祉法人等の監査導入への対応、税制に関する必要な提言などに取り組んできました。これらの取組を進めていくにあたっては、協会の会員だけでなく、関係省庁や国会議員、経済団体、メディアとの折衝・調整も多く、公認会計士業務がいかに社会の重要な役割を負っているかを痛感しています。今後も、ステークホルダーとのより望ましい関係構築に注力し、社会的に意義のある施策を進めていきたいと思います。

  なお、ただいま申し上げたような施策のほか、主要な施策の状況について資料をお送りしていますので、ご覧いただければ幸いです。

  最後になりますが、今回の新型コロナウイルスの感染拡大による危機を契機として、国内外ともに、社会全体が急速かつ大きな変革を迎えつつあります。特に、IT基盤・通信基盤の整備及びデジタル化の加速は必須であり、これらを活用した働き方改革も必然でしょう。

  リモートワークの環境がより一層整えば、地域活性化の在り方も大きく変わるかもしれません。

  このような変革の時代において、公認会計士が社会で存在価値を認められることができるように、会員の皆さまに対する支援をより充実させるとともに、協会の基盤整備と働き方改革にも注力してまいります。現在私たちは未曽有の危機下にありますが、この危機をしっかりと乗り越えて、ひいては変革のためのチャンスととらえて、協会が会員からも社会からも信頼され、経済の健全な発展と幸福な社会の実現に最も貢献するプロフェッショナル団体となれるように、引き続き必要な施策を実行していく所存です。

  会員の皆さまにおかれましても、くれぐれも健康にご留意いただき、変革の時代の中で、ますますご活躍していただくことを祈念いたしまして、私の挨拶といたします。

  本日はありがとうございました。

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