中小企業施策委員会研修会(2020年1月20日)

中小企業施策委員会委員 柴田 真人

  令和2年1月20日(月)午後1時30分より、仙台商工会議所7階大会議室にて中小企業施策委員会研修会が開催されました。二部構成で行われ、第1部は、東北経済産業局 産業部長 渡邉善夫氏をお招きし、「中小企業支援の現状~東北地方の中小企業及びその事業承継の状況~」というテーマでご講演いただきました。第2部は、M&A仲介について公認会計士として豊富な実務経験をお持ちである阿部仁紀先生より、「会計専門家の活躍分野の1つとして~事業承継とM&A~」というテーマで解説いただきました。

  第1部では、国の中小企業施策や事業承継支援策のご説明があり、公認会計士に対して、次の4つの役割を期待しているとのお話をいただきました。

  1. 株式公開支援よりも前の段階から中小企業施策への関与をいただきたい。具体的には、認定支援機関となり、中小企業のホームドクター的役割を担い、経営相談・財務分析から経営計画策定支援、その後の継続的モニタリング等により支援いただきたい。
  2. 事業承継について、中堅企業はガバナンス等の課題もあり、国の用意している事業承継税制のみではサポートしにくい。公認会計士の知見やネットワークを活かして、中小企業以上、中堅企業等に対する支援を期待している。
  3. 事業承継と関連性の深い、第二創業、創業、株式公開支援等の事業規模拡大に向けた支援を期待している。
  4. 現在、台風被災企業への復旧、復興支援について、再生計画策定から施策活用までの伴走型支援を期待している。

  第2部では、中小企業施策委員会副委員長の櫻井康博先生がコーディネーターを務め、対話形式により研修が進められました。2019年、中小企業の経営者年齢は平均69歳と高齢化が進むなか、後継者不在企業は全国で約18万社に上り、事業承継(第三者承継)とスタートアップ企業のEXIT手段として、M&A仲介の市場は拡大傾向にあるとのことでした。

  また、M&A仲介は、次の4つの手順で行われるとのご説明がありました。

  1. 譲渡希望者を探す。
  2. 譲渡スキーム(株式譲渡、事業譲渡等)を提案し、企業価値を暫定的に評価する。
  3. 希望する価格以上で買ってくれる買収希望者を探す。
  4. デューデリジェンス対応、譲渡契約のサポート

  経営者が最初に相談するのは公認会計士・税理士であることが多く、公認会計士として当業務に携わる際には、①業務範囲を明確にすること(上記いずれの手順から参入するか)と②リスク負担を図ること(一人で受託するのか協力者と受託するのか)が重要であるとの助言をいただきました。

  今回の研修では、中小企業施策に関して国から公認会計士に期待されていること、M&Aに公認会計士が関わる場合の概要を知ることができ、大変有意義であったと考えております。

  当委員会は、中小企業支援の推進を通じて公認会計士の社会貢献をより一層推し進める趣旨で、2019年7月に設立されました。本年秋頃には外部向け研修会を予定しており、当分野において公認会計士が支援できることなどを周知してまいりますので、よろしくお願いいたします。

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