学校法人委員会研修会についての御報告(2019年7月13日)

学校法人委員会副委員長 小野寺 正久


  令和元年7月13日(土)、13:00から約3時間に亘って、ハーネル仙台において、学校法人委員会研修会(テーマ:最近の学校法人会計・監査の動向)を開催しました。講師として、日本公認会計士協会学校法人委員会オブザーバー公認会計士奈尾光浩先生をお招きし、実務経験を踏まえた貴重なご講演をいただきました。ご参加いただいた会員は約61名とその関心の高さがうかがわれました。

 研修は5部構成で行われ、主な内容は以下の通りです。

 1.学校法人会計に関する留意事項

 2.学校法人監査に関する留意事項

 3.学校法人監査における監査調書様式例及び記載例について

 4.監査基準の改訂

 5.私立学校法の改正

  第1部から3部までは、従来の実務指針や通知等の中から、特に留意すべき事項をピックアップした説明及び監査調書を作成する際の参考となる監査ツールの説明がなされました。災害損失に、災害に対応する復旧や原状回復のための支出を含んでいるケースがあるなど、実際の誤りの事例を交えて説明いただきました。また、講師の方が特に強調されていたのは、学校法人運営調査における新たなスキームとして発出された、「学校法人運営調査における経営指導の充実について(通知)30文科高第318号平成30年7月」についてでした。当該通知では、文部科学大臣所轄学校法人において、(1)運用資産-外部負債が直近でマイナスになり、かつ、(2)経常収支差額が直近3ヵ年連続でマイナスになった場合、3年程度を目安に経営改善の実績を上げるよう、学校法人運営調査委員会がきめ細かい集中的な指導を実施するというものです。上記要件に該当しないよう、学校法人側は経常収支差額をよく見せようとし、事業活動収支計算書の計上区分を操作する可能性があり、従来以上に計上区分を誤るリスクが高まるとの説明がありました。

  第4部では、監査基準の改訂に伴う学校法人監査における影響について説明があり、今後多くの実務指針・研究報告の修正がなされる予定とのことでした。また、適用時期は進行年度である2020年3月期からであり、監査報告書の様式の変更や監査約款の改訂に伴う監査契約書の様式の変更も予定されており、早い段階で公表できるよう作業中とのことでした。

  第5部では、私立学校法の改正点について説明がありました。特に強調されていたのは、理事の行為の差止や役員の第三者に対する損害賠償責任など、監事の責任が重くなった点であり、今後監事の就任が敬遠されるおそれがあると懸念されます。

  今回の研修では、進行年度である2020年3月期から学校法人にも新監査基準が適用される点など、多くの会員の実務に影響する内容を重点的にご説明いただき、大変有意義な研修となりました。

  講師を担当してくださいました奈尾先生、また、会場準備等にご尽力くださいました事務局の皆様にお礼を申し上げます。

  なお、学校法人委員会としましては、監査基準の改訂への対応が公表されましたら、年度内に再度研修会の開催を検討しています。今後も会員のみなさまに有益な情報提供を行ってまいりますので、宜しくお願い致します。以上

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