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 東北CPAニュース

研修会  新たな地方公会計制度に関するセミナーについての御報告(平成30年1月22日)

公会計委員会委員長 伊藤 明彦

 人口減少・少子高齢化が進む中、財政マネジメント強化のため、地方公会計を予算編成等に積極的に活用し、地方公共団体の限られた財源を「賢く使う」取組を行うことの重要性がクローズアップされてきております。
 国においては、平成27年1月に「統一的な基準による地方公会計マニュアル」が取りまとめられました。平成29年度までに、この基準に基づく財務書類の作成が全ての地方公共団体で行われることとなり、今後は、「作って見せる」公会計から「活用する」公会計へステージが代わることが期待されております。
 このような状況を踏まえ、東北会公会計委員会では地方議員等を対象として、新たな地方公会計制度に関するセミナーを開催いたしました。
 今回のセミナーは宮城県議会と東北会の主催、また宮城県市議会議長会と宮城県町村議会議長会の共催で、宮城県議会議員及び宮城県内市町村議会議員を対象として平成30年1月22日に仙台市内のホテル白萩にて行いました。当日の参加者は全員で274名となり、会場のスペースの関係もあり同一のセミナーを2回に分けて行いました。
 講師は地方公会計制度に精通し、セミナー講師の経験も豊富な協会本部の非営利会計・監査・法規・制度グループのテクニカルスタッフ川口雅也先生(公認会計士)に御願い致しました。テーマは「統一的な基準により作成された財務書類の見方」で1回当たり90分の講義を頂きました。

 講義の主な内容は以下のとおりです。

第1 財務書類の基礎的理解
   (1)なぜ、今、公会計財務書類が必要か
   (2)財務書類4表と発生主義固有論点
   (3)地方議会と財務書類の関係

第2 財務書類の新たな活用方法
   (1)財務書類の活用総論
   (2)議会の質問から考える公会計情報の活用
   (3)財務書類のマクロ的・ミクロ的活用例
   (4)事業別財務書類活用例

講義では、川口先生が近時、地方議員の先生方の公会計に対する関心が高まっていることを肌で感じていることの話があり、また、重要な点として以下の2点があげられました。

①重要な公会計情報の活用には細かい情報の蓄積が必要であること。
②「歳出」と「コスト」の概念は異なるということ。

 特に減価償却費の計上と引当金の計上につき理解できれば新たな公会計制度について8割方、理解ができたといえること。
また、講義においては実際の地方議会において行われた質問につき公会計情報をいかに活用できるかの事例が取り上げられ、参加者の参考になったことと考えます。
なお、講義のまとめとしては以下の3点があげられました。
公会計制度は、導入すればすぐに劇的に、県庁・市役所の課題を解決できる「魔法の杖」ではない。
細かい公会計情報を、複数年にわたって蓄積していき、それを評価することによって、はじめて有効活用できる。
議員の皆様が注目されている事業等の公会計情報を見て、成果とコストが見合っているかチェックしていきましょう。
宮城県では平成28年度決算から貸借対照表等の財務書類等が作成されており、講義の最後には活発な質疑応答がなされるなど、新たな地方公会計制度に関する関心の高さがうかがえました。講義終了後は参加者から「非常に参考になった。」という意見もいただき、社会貢献や公認会計士のプレゼンスの向上にも寄与できたかと考えております。
 川口先生はじめ委員会メンバー各位、また庶務担当でご協力いただきました事務局の皆様に改めて感謝申し上げます。また今回のセミナー開催にあたり、宮城県議会との折衝等で格段のお骨折り頂きました宮城県会会長の赤石雅英先生に特段の謝意を捧げます。有難うございました。


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