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 東北CPAニュース

税務業務部会研修会(平成29年6月8日)

税務業務部会東北分会 副分会長 伊藤 正佳

 平成29年6月8日午後1時よりハーネル仙台において、仙台国税不服審判所所長𠮷田初志様及び同国税審判官 佐藤貴志様をお迎えして「国税不服申立て制度及び裁決事例の紹介」と題した研修会が開催されました。当日はまだ3月決算の監査等の作業の余韻が残る日程でしたが、30名弱の会員が受講されました。

 最初に𠮷田様より国税不服審判所の概要が紹介されました。国税不服審判所の役割としては、税務行政部内における公正な第三者機関として、適正かつ迅速な事件処理を通じて、納税者の正当な権利利益の救済を図るとともに、税務行政の適正な運営の確保に資することを使命とし、税務署長や国税局長などと審査請求人との間に立つ公正な立場で審査請求事件と調査・審理して裁決を行うことである旨を述べられました。したがって、この役割に沿って公正な審理を行うために国税審判官には公認会計士、弁護士、税理士といった民間の専門家も任用されており、審理は3名以上の国税審判官で構成される合議体にて行われる事、また迅速な処理を目指して原則的に1年以内の裁決を目指していることなどが説明されました。次に具体的な不服申立制度や、審査請求を受けてからの一般的な審理の流れについて説明がなされました。

𠮷田様の説明に続いて佐藤様より最近の裁決事例の紹介がなされました。佐藤様は自己紹介において公認会計士の資格を有している旨を述べられ、民間出身者の立場から裁決事例において国税審判官がどの様に判断されたのかを説明されました。裁決事例として掲げられたのは①ロータリークラブの会費等は必要経費に算入できないとした事例(平成26年3月6日裁決)②売上除外をして請求人の役員らの預金口座に振り込まれた金員は役員給与に該当するとした事例(平成27年7月1日裁決)③調査手続の違法は修正申告の効果に影響を及ぼさないとした事例(平成27年3月26日裁決)でした。いずれも請求人の請求が退けられた事例でしたが、判断のポイントを丁寧に説明されました。

 最後に𠮷田様より国税審判官(特定任期付職員)の募集について案内があり、公認会計士の応募を期待している旨のお話しがありました。その後、質疑応答があり、佐藤様が公認会計士の資格を有している事から親近感が沸いたのか、かなり活発な質疑がなされ、午後3時に研修は終了しました。

 その後、若干の休憩をはさんで昨年の9月に本部で開催された公認会計士・税理士の小見山満先生による「開業するなら知っておきたい税務実務研修会(第7回)税理士法と公認会計士の税務」がDVDにて上映されました。この中では税理士制度の紹介を交えながら、税理士と公認会計士の権利・義務、会計法人に係る諸問題等を説明されました。公認会計士として行う業務には税務に関する業務が多岐に含まれておりますが、それ故に自ら襟を正して、事務所職員の管理や業務処理簿の作成を適切に行う事、名義貸しや自己脱税などは厳に慎む事などを強く訴えられました。こうして午後5時に全ての研修は終了しました。


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